食文化コラム2
牛丼とオレ




〜、これを書いてる時点でアサ10時38分、きのうから寝てません。
こんなんばっかしだ。だから無職は困るのだが、そんなこと言っても寝るタイミングを完全に逃したのだから仕方ありません。そんなこんなでいま現在激烈に眠く、なら寝りゃいいじゃねえのよとも思うのだが、そうもいかん。なぜなら今日の午後2時にはバイト先(そう、これから暫くはバイト君なのよ)に出頭しなければいけないから。めんどくせえええ!でもこないだ銀行で預金残高を見て鼻血を噴いて倒れたオレとしては、生活のために何かせにゃならん。まったくいやな世の中です。ヂグジョ〜!(東海林さだお調に)
まァそういうわけでして、仕事を辞めたら貧乏になるのは当然ですが、じゃあ仕事をしてた頃は貧乏じゃなかったのかといえば貧乏だった。
猛烈な勢いで貧乏だった。
どれぐらい貧乏かといえば、もはやウガリでも食うしかあるまいというぐらい貧乏だったのだ。しかしオレも好きだね、ウガリ。好きだな。ウガリのひと。(根津甚八)ということで、まァ己の心身をボロ雑巾のようにすり減らして働いてなお貧乏するよりは、一度己を見つめなおした上で毎日を豊かな気持ちで暮らして貧乏するほうがいいのではないかという判断で仕事を辞めたのだった。というと実にカッコEのだが、思い返せば実はそんなに一生懸命働いてたわけでもなく、どっちかと言わずとも完全に月給を泥棒していたので、まァちょっと早まったかも。テヘッ。
だいたい何だよ「己を見つめなおす」って!こんなショッパイもん見つめてどうすんだよ!ヂグジョー!

で何だっけ、そう牛丼ですが、会社員の頃は、まァよく牛丼を食いました。なんであんなに牛丼ばっかりというぐらい牛丼を食った。しかもピンで。
はやいの、やすいの、う〜まいの〜、とはよく言ったもので、旨いかどうかは置くとしても早くて安いのは事実だから、てきとうなメシの最右翼ですよね。牛丼ってのは。誰かと一緒にメシを食うときというのは不思議と牛丼屋に行かないもので、じゃあいつ牛丼を食うのかといえば、

昨日演じた大失態の後始末をこれから付けに行くという午後。
女とメシ食ってる途中であらぬ方向に話がシフトし、メシもそこそこにお茶を濁した帰り道。
あるいは残業帰りのタクシーの窓から、吉野家のオレンジ色が見えたあの夜中。

確かに腹が減ったといえば減ったのだが、しかし積極的に何か食おうという気分になれないとき。
そんな瞬間、気がつけばいつもそこには牛丼屋があったのです…なんてことを書くと
皆さんオレが牛丼好きみたいに思うかもしれんから言っておくが、牛丼、嫌いですよ!もう匂いを嗅ぐだけで死んでしまいたくなるぐらい嫌いですよ!
会社員の頃よく食った?ええ食いましたとも!会社員の頃、どころじゃないなあ。高校生の頃からだもんなあ…そりゃもう十分よ。味覚もなくなるぐらい牛丼食ったよ。世界中の牛丼屋はオレに表彰状を出すべきよ。実際、昼飯に牛丼食ったことを忘れて晩飯にも牛丼食って、「なんか最近、牛丼食った気がするなあ、いつだっけ…今日だよ!」とか。
2回死んで生まれ変わってもまだオツリがくるぐらい牛丼ばっかし食ってたっちゅうの。そりゃ匂い嗅ぐだけで嫌にもなろうってもんですよ。
女性の方なんかと話してると、えー私、吉野家って入ったことないのー、なんて方も
少なからずいらっしゃるわけですが、まァだからお勧めはできんですな。できればあんなもの、食わなくて済むんなら食わないほうがいいとオレは思うわけです。だ〜からもう、オレは牛丼なんか食わねえ!といま心に決めた。あんなもん食ってたらねえ、味覚が麻痺するんです!もう食わねえ!いいか!絶対にだ!

でも吉野家と並ぶ牛丼メジャーの松屋、あそこ「カレギュウ」ってメニューがあるんですが、あれ考えた奴はねえ、天才ですよ。
松屋において牛丼にするかカレーにするかってのは人間にとって最大のテーマであって、これは本当にいくら考えても結論の出ない問題ですが、それだけの問題をですよ、カレーに牛丼の肉をトッピングするという、実に脳タリンな方法で解決してしまったんですから。そうやって聞くと実に不味そうに思えるんですが、これがねえ、甘辛く煮た牛肉と、カレーの微妙な辛さがねえ、なんともいえない調和を醸し出しておる。ムウ…
そんなことを書いてたら、どうにもカレギュウが食いたくなりました。
今日の昼飯は松屋にけって〜い!


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