ダブルダイナマイトの妄想機関車(1)
デーモンはオレと代われ!

O / 大矢  H / ホーク

H 今あのー『オーシャンズ12』という映画が来てますね。駅貼りがドンドーンなんて出てますでしょ?
O 今出てますねえ。
H やっぱりキャサリン・ゼタ・ジョーンズっていうのはいい女だなあ〜、うちにちょっと来てくんねえかなとか思ってですね。……それで『オーシャンズ12』、これもシリーズものですけどね。
O 『オーシャンズ11』の次だもんね。
H 前の10本はどこでやったんだろうっていう。
O ワハハハハ!そうか……
H 昔『アポロ13』ていう映画が来たときもね、
O 前の12本は。
H そうそう、だいたいアポロ出てねえじゃねえかよ、ふざけんなよ!みたいな。何だこのロケット!みたいな。
O あとちょっと前に『54』ていう映画もありましたね。
H ありましたな。
O 何にもなくってタイトルが、54って何だろう。
H すっごいな、人知れずやってるシリーズみたいな。でまァ『オーシャンズ12』ですけど、まァ駅貼りのポスターを見ててクルーニーとか、ピット?
O ピット。ワハハハハハ!
H 敢えてこの、えー苗字で呼ぶところがちょっと通っぽい感じで。北大路とか田宮とか呼ぶ感じの。昔のおじさんおばさんみたいな。でまァクルーニーやらピットやらは判りますよ。もう、ちょっとこれは敵わねえなって気がする。
O あとデーモン。
H デーモンですよ問題は。『オーシャンズ12』の大物スターがパーッと並んでるポスター見て、オレもぼちぼちこん中入れねえかなと思ったんですよ。
O ああなるほどね。
H でまァクルーニー、ピットはもうしょうがねえと、これは押しも押されぬ、このセックスアピールが。
O ああ〜何だろうなあ、ハリウッドのセックスシンボルですから今。
H ええもう、どんだけセックスしてるんだろうっていうね。でまァピットはほら、女房と別れて。
O 別れの季節ですねえ。
H ええ。でまァジョンジョリーナ・ジョリーとやったとかやらないとか、テレホンセックスしたとかしないとかね、
O ねえ!ハリウッドスターもテレホンセックスはするんだねえ!
H ジョンジョリーナ・ジョリーと、オレだってテレホンセックスしたいですよ。
O 「どんな下着つけてんの?」とか英語で言うの?
H 何だろう、ハウズユアパンツ?とかそういう。
O ハッハッハッハ、はいはいはい。
H ね?だからジョンジョリーナ・ジョリーとテレホンセックスがしたいなあ。と思いますけど、だけどまァ話を元に戻すと、だからあのスターの中で、デーモンは別に……オレ……ねえ。
O 行けるだろうと。
H リプレイスできるだろうと。
O 代われるだろうと。
H 代われるよみたいな。でまァあと何かよく判んない黒人とかいるじゃないですか、ドン・チードルとか。あの辺は……
O まあ脇を固めてる。
H ポリティカリー・コレクトというやつで入れとかなきゃいけないから。
O ワハハハハハハハ
H ひどいこと言ってるけど。
O 雇用機会均等法みたいなもんだ。
H ね?一見ひどいこと言ってますけど、だけどたぶんそういう意図じゃないですか。
O ドン・チードルってあんまり出なくなっちゃったね。
H ねえ。ドン・チードルって4、5年前はねえ。
O あれじゃない、あいつポール・アンダーソン組。ポール・トーマス・アンダーソン組だったけどねえ。
H そうそう、何見に行ったって大抵ドン・チードルが出てるなあみたいな。
O ねえ、そんな感じだったけど、一時。
H ドン・シーゲルかと思ったらドン・チードルだったみたいな。何だチードルって、プードルかみたいな。
O ダハハハハハ、本名なんだからしょうがないよ。あいつ芸名なのかな。
H 芸名なのかな。芸名だったらチードルってつけませんよ。
O あれ?ポキーム・ウッドパインが出てるのは違う映画?
H ワハハハハハ!ポキール?
O 何かいるじゃん、もう1人黒人の。
H いますね。
O ああ、あいつが出てるのはあれだ、『スコーピオン』、ケビン・コスナーの。
H はいはいはいはい、あの
O 裏『オーシャンズ11』。
H エルビスがいっぱい出てくるやつね。くだらない映画ね。あれはいい映画でした。
O いい映画だったね。
H というわけでマット・デーモンはオレと代われ!という話です。
O じゃ駅貼りに、何?「クルーニー!」
H うん。
O 「ピット!」
H うん。「寺沢!」
O ダハハッハッハッハッ!
H がっかり。みんな。
O でもホラ、あれ12っていうことは12人ぐらいスターがいるわけじゃない。
H でしょう?だからこれこのまんま行けば、あのー『オーシャンズ135』とかね。
O ハハハハハそうそうそう。
H 「多いなあ〜!」みたいなね。
O ウハッハッハッハッ
H 「おい〜!」みたいな。登場人物紹介してたら映画が終わるみたいな。『東京裁判』みたいな。だからもしかしたら『オーシャンズ135』ぐらいになったらオレも末席を汚せるかもしれない。
O だってもう既に『12』の時点で、12番目とかもう分かんないじゃん。誰?
H わかんないですよ。『11』の時点でも何か訳のわかんないのが、ね。
O だってアンディ・ガルシアとか出てんじゃん。
H うん。
O あれとかって映画の中では敵役なんでしょ?
H そう、厳密には12人の愉快な仲間じゃないわけですから。それを考えるとね、だから今の時点でパッとしない奴いるから、順調に増えていけばオレら入れますよきっと。
O あれってさあホラ、『オーシャンと11人の仲間』っていう映画が元じゃない。あれがフランク・シナトラの映画だったわけじゃないですか。でシナトラ一家っていう人たちがね、サミー・デイビスJr.と、
H ディーン・マーチンと。
O いわゆるほんとにあのー、プライベートでもファミリーの付き合いがね、まあ黒い世界との付き合いもあったらしいけど、だから今の『オーシャンズ11』やら『12』っていうのもいわゆるクルーニー・ファミリーっていう言葉はあんまりないかもしれないけど。
H まァでも何かねえ、来日して楽しげにやったりしますよね。
O そう。だからジョージ・クルーニーが来日した時に、ホークさんがファミリー入りすれば……
H ああ〜……何気なく一緒にいればねえ。「お前誰だよ!」みたいな。「まァまァまァ、いいからいいから」
O 後ろのほうで一緒に飲んでみたり。
H ワハハハハハ、「いょ〜っ!」
O ワハハハハ、「流石だね〜!」とか言いながら。
H 何かだけど、そうやって取り入ってねえ、アレするのも何か感じ悪いすけど、でもしょうがない。足がかりとしてね、お歳暮とかしますよクルーニーに。
O アレですよね、草履とか懐であっためてね。
H あっためたりとか。何か女世話したりとか。
O 女世話してね、最終的にそれを足がかりに謀反を起こしたりね。
H 謀反を起こして。『オーシャンズ135』っていう映画の中で、クルーニーの頭を後ろっから靴で殴ります。
O でも『オーシャンズ135』とかになったらさあ、もう結構「じゃあ、120から下は寺沢、お前に任した」
H そうそうそうそう。
O 「お前がちょっと集めてこい、あと15人」みたいなことになったら。
H そうですよ。オレがもう上野公園とか行って……
O ワハッハッハッハッハッ!
H あと新宿中央公園とかで、ちょっとコップ酒とか振る舞って。「ハイ乗って乗って!」なんてマイクロバスで。
O ワハハハハハ
H ワハハハハ!「連れてきましたーッ!」
O ワハハハハハハ!
H 「何考えてんだ!出せるかこんなもん!」
O メガホンでパーンて殴られて。
H ワハハハハハ!「失礼しましたーッ!」しょうがないなあ……って今度は幼稚園のバスか何かジャックして。
O ワハハハハハハ、漕げ漕げ漕げよ、もっと漕げよとか唄って。
H 「これから映画の撮影に行くんだ!」
O 「エーン、嫌だよう」
H 「行くんだ!」ってまた頭をブン殴って
O ワハハハハハハ!
H 「連れてきましたーッ!」
O ワハハハハハ
H 「バカ野郎、子供じゃねえか!」
O ダハハハハハハ
H もう何だっていいや〜みたいな、最後は犬とか猫とか連れてって、もう。
O ニャーニャーニャーニャー言って。
H ワハハハハハ
O 「ニャーニャーニャーニャー」、「猫じゃねえか」延々リピートするハリウッド超大作2時間半。

(おまけ)
H ……最近、五木ひろしって見ないですねって話をしてたんです。見ました?最近。
O 俺は紅白で見た。
H あ、そうか。
O 出てたよ。
H あー……まァ地道にやってんだろうなあ。……「地道にやってる」ってオレに言われたくないだろうなあ、そんなこと。

(2005年1月24日放送『五木ひろしも地道にやってんだろうな……』より)



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