MAGNETO 
マグニートー


ミュータント・テロリスト。
本名エリック・マグナス・レーンシャー(偽名説あり)。
幼少期よりナチス・ドイツの迫害を受け、アウシュビッツで家族を失う。
唯一人ロシアの寒村に逃げ延びて家庭を築くも、成人とともに発露した磁力を操るというミュータント・パワーを恐れた暴徒に幼い娘アーニャを虐殺され、その場でブチ切れて村民を皆殺しに。それを目の当たりにした妻マグダには逃げられてしまう。というものすごい不幸な生い立ちの人。なお逃げた女房は妊娠しており、マグニートーの知らないところで双児を産んだ。親父には似ず、子供は後に2人ともヒーローとなった(当初はお互いが親子と知らぬまま、親父が組織したブラザーフッド・オブ・イーヴル・ミュータンツに加わっていたのだが)。それだけ辛い目に遭った後に新しくできた彼女もまた差別主義者に殺害され、にっちもさっちも行かなくなって放浪していたイスラエルでチャールズ・エグゼビア、のちのプロフェッサーXと出会う。一度はミュータントの独立問題に関して意気投合するも、二人はそれぞれの考え方の違いから敵対する結果に。マグニートーの最初の一手は米軍のミサイル基地乗っ取り(失敗)であった。それを皮切りに幾度となく人類に挑戦、Xメンに阻止され続ける。しかしある事件をきっかけに幼児に戻された際(そういうことがあったんだってば。オレに文句言わないでください)、無抵抗のマグニートーはマインドコントロールを受けて一度更正。その後宇宙人の手で大人に戻され(何か嫌になってきたよ、オレは)それなりの葛藤を経て一度は人類支配の野望を捨て、X-MENと共闘。X-MENの下部組織、ニュー・ミュータンツ(のちのX-フォース)の指導をするまでになる。だが人間無理はするものじゃなかった。やはり一度は染まった悪の道を忘れられなかったマグニートーは改めて人類に宣戦布告。ある時地球上の電気を全部止めた上、ウルヴァリンの体に埋め込まれた特殊金属アダマンチウム全部吸い出して重傷を負わせるにおよび、これはとうとう我慢ならんとなったプロフェッサーXの精神攻撃でマグニートーは廃人にされてしまう。その後しばらくは植物人間と化したまま人工衛星の中でボケーッとしていた。が、ほどなくして衛星が墜落。そのショックのせいか記憶喪失となった上、若返って(なんでだ)放浪の後、ついにX-MENと出会い、ジョセフと名乗ってチームに加わる。こいつマグニートーなんじゃねえか、でも若いなと思われながらも結構メンバーとはうまくやっていた。まァ記憶喪失ですから。そんなこんなでいつマグニートーとしての記憶が蘇ってブチ切れるのか、というサスペンスがあるかと思わせて、若返ったマグニートーは実はクローンだったことが判明。またクローンかお前ら、いいかげんにせえよという読者を尻目に本物のマグニートーは南極あたりでピンピンしていたのだった。最終的に本物とクローンは直接対決、いろいろあってクローンのジョセフは命を落とす(いい奴だったのに)。現在は南アフリカ近辺の国家、ジェノーシャの君主。ジェノーシャはかつて人工的に造り出されたミュータントを奴隷としてこき使っていた国(ひでえ)。マグニートーは政治的な取り引きの結果、国を1個貰ったのであった。ずいぶん損な取り引きのような気もするが。とりあえず元奴隷国家のジェノーシャを立て直すことに現在は専念している模様だが、いつまた人類に牙を剥いてくるかわかりません。いずれジェノーシャも取り上げられてしまうんでしょうし。そういう意味ではいつもいつも酷い目に遭わされて気の毒な人ですよ。決して単純な悪人ではないんですな。磁力を操る、という能力は金属(画鋲から原子力潜水艦まで)を自在に操るほかに、人間の血液中の鉄分を凝固させたり、といったことまで可能です。


映画版のマグニートーは『ゴールデンボーイ』(98年)で元ナチ幹部を演じていたイアン・マッケラン。また最近の『ゴッドandモンスター』(98年、何じゃそのタイトル)では『フランケンシュタイン』の監督(モーホ)を演じたり。この方イギリス人でしてサーの称号までお持ちの非常に芸歴も長い名優(ウェブサイトも持ってるぞ)ですが、オレはちょっとひとこと言いたい!いや基本的にX-MENおよびその実写版には文句は言わないことにしてるんだが(特にマンガに突っ込みだしたらもうキリがないから)、まァ今回の映画化にしても原作の雰囲気を損なわないようなデザインおよびキャラクター設定が基本で非常に好感が持てるし。だけどこんな痩せたオッサンがマグニートーかいな!そりゃサーと言われるぐらいだから演技は上手かろう、しかしこのページ左上のマンガ版マグニートーを見てくださいよお客さん!どうですこの悪役ぶり!あんた太平洋戦争から生きてるわりには結構若いな、と言わざるを得ない筋骨隆々とした肉体!これがマグニートーですよ奥さん!マスター・オブ・マグネティズムですよ!つまり磁界の帝王ですよ!悪役だろうが何だろうが一生ついていきたいタイプですよ!ク〜しびれる!それに比べてこのオッサンは誰だ!あと何だこのヘルメットは!それに何か学生服みたいなの着てるけど何ですかそれは!ああ!…そんなわけでオレの苦しみがご理解いただけたでしょうか。まァ何だかんだこのお父さん、今回の監督ブライアン・シンガーとは例の『ゴールデンボーイ』でタッグを組んで意気投合したんでしょうな。いわゆるスコセッシとデニーロみたいなもんか。ところでスコセッシとデニーロはもうタッグを組まないんでしょうか。まァそれはこっちに置いといて。ナチの幹部を演じてた俳優が今度はアウシュビッツ上がりのミュータントを演じるというのもなかなか面白いものですが…ああ…テレンス・スタンプがマグニートー役かも、と聞いたときは心躍ったのに…『スーパーマン2』(80年)のゾッド将軍が今度はマグニートーか!と思ったのに…なんでこの胃腸の悪そうなオッサンが…でもまァ、もう映画もできてしまってるでしょうから文句は言うまい。名優であることは間違いありませんから。オレがいまここでブーブー言ってることなんてのはきっと小さなことにしか思えなくなるんでしょう。メットが変だとか。なんで学ラン着てるのとか。いやそうに決まっておる!ということでちょっと様子を見ようと思います。

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